<2010年5月18日 福島フォーラムにて観賞>
ユアン・マクレガーに撃ち抜かれました
もちろん、ジム・キャリー目当てで見に行ったんだけど、
ユアン・マクレガーのかわいらしさにやられた・・・
ユアン、かわいいよかわいすぎる。
ジムもユアンもゲイの役なんだけど、押しの強いジムと、
はかなげなユアンが意外に似合ってた。
フィリップ役ユアンの、首のかしげ具合、上目づかい、すねた口調、
すべてが優しくてかわいいフィリップそのもの。
スター・ウォーズのオビ・ワンとは全く正反対の、
ワイルドさのかけらもない演技。とにかくかわいい。うまいなあやっぱり。
下ネタも多いんだけど、ジムがあんまりひどい品の悪さにしてないから、
カラッとした雰囲気で、安心して笑って観てられる。
(あ、でも親とは観れないかも・・・)
ジムがゲイって、あんまりピンと来なくて(どちらか言うと女たらしのイメージ)
でも、全く違和感なし。ユアンのかわいらしさと相まって、
すごくお似合いのカップルになってたな。
初めて刑務所内でジム=スティーヴンがユアン=フィリップを見たときのあの目!
いやらしくはないんだけど、もう、一目でフィリップに心を撃ち抜かれたっていう、
衝撃がものすごく伝わってきて、あー、スティーヴン、
君を応援したいよって気持ちにさせられちゃう。
刑務所の中の二人のスウィートルーム。
アメリカの刑務所ってあんなに自由なんだー、なんて思いながら、
思わずにやにやしてしまう男二人のラブラブっぷり。
スティーヴンは、フィリップを喜ばせたいがためにあらゆる手段を使って、
同室にしたり、食事を豪華にしたり。
出所してからも、フィリップを早く出所させるための詐欺を働いたり。
途中、スティーヴンが別の刑務所に移送されるって時、
中庭に出るのはあんまり好きじゃないっていってたフィリップが、
スティーヴンを追いかけて中庭に出て全力疾走。
車に乗り込ももうとしてるスティーヴンに叫ぶ。
「スティーヴン!愛してる!」
一途だよフィリップきみは一途だ素敵だよ・・・
でも、スティーヴンのフィリップに対する想いって、
どこまでフィリップのことを考えてるんだろう?
自分がフィリップに会いたいがためにしてることって、
全部犯罪だもの。
脱獄、書類の不正な改ざん、弁護士だの会社役員だの身分を偽っての豪遊。
経歴を偽ってまんまと財務担当役員として入り込んだ会社でも、
普通に勤めてれば多分平穏に暮らしていけただろうに
(でもいつかはばれたかも?)でも、悪い癖が出て多額の横領。
そしてセレブライフ!
ちょっと変だと思い始めたフィリップが、泣きそうな不安な表情で、
「悪いことしてないよね?お金なんかなくても一緒にいれればいいんだ」
性格はすごくいいけど、ちょいとお人好しでだまされやすいフィリップ。
スティーヴンは悪いことなんてしてないよと言いつつ、実は全てが犯罪。
そしてそのとばっちりを受けて、フィリップも罪に問われてしまうわけだし・・・
結局、愛という気持ちのいいフレーズに隠されたスティーヴンのエゴなんじゃないの?
終盤、病に倒れ死期がせまるスティーヴンのもとに、
だまされていたことに怒ってもう二度と会わないと言っていたフィリップから電話が。
「許してないよ。でも、愛してる」
なんだかんだあったけど、やっぱり二人には幸せになったほしかったよ。
死ぬ前に会わせてあげたかった・・・
なんて涙してたら。
なんだよ!これも詐欺かよ!
スティーヴンの、脱獄するための一世一代の演技。
すげーよスティーヴン!
つーか、さっきの涙返してくれ!!!
平気な顔してフィリップの前に現れたスティーヴンに、
フィリップ思わずおもいっきり平手打ち。
おいらも一緒に殴りたかったよ。
観客さえ詐欺にあわせるのか。
結局、またスティーヴンはつかまってしまうんだけど、なんか、
二人の幸せを願ってしまい、かつハッピーな気持ちになる映画だったなあ。
あ、スティーヴンの元カレのジミー役のロドリゴ・サントロが、
すごく色っぽくて、ほんとのゲイに見えたのだ。
いい男ばっかり出てるんだけど、みんなゲイ役。
マイナー映画同好会12
またまた福島までドライブ。
うちのアペちゃん(車ね)は、花粉と黄砂でどろどろなのに、
機嫌よくブンブン走ってくれる。
で、福島フォーラムの駐車場について、ふとメーターを見たらばさ、
70000キロを超えてたの。
あ~!70000キロ記念撮影するの忘れた!
って、残念がったらさ、アペちゃんが、
「気にすんなよ。77777キロのときは撮ってよね」
って、笑った。
アペちゃんは車なのに会話できる。
そして、人形と会話するのは、
「ラースと、その彼女」
の、ラース。
ラースは人付き合いが苦手で、特に女の子と話すのがかなりつらい。
兄夫婦の家の敷地のガレージに一人で住んでいる。
彼女もいないラースを心配する兄嫁や町のおばちゃん。
で、ある日ラースが、彼女を連れてきたんだ!と、うれしげに兄夫婦に報告する。
大喜びする夫婦の前に、ラースがつれてきたのは、
等身大の人形。
“リアル・ドール”
変わり者だと思ってたけど、
とうとうビョーキになってしまった!
驚愕してショックを受ける兄夫婦をよそに、ビアンカ(人形の名前ね)の
紹介をするラース。
でもね。
だんだん町の人たちに受け入れられるビアンカ。
“仕事”も与えられ、ビアンカは忙しくなってくる。
ビアンカと過ごす時間が減ってきて、ラースはイライラ。
会社で少し気になっている女の子に彼氏ができて、イライラ。
そんな時、ビアンカが病気になってしまい・・・
なんかねえ、ビアンカ美人なんだよ。
そーゆー、成人男性むけのお人形なんだけど、観てるうちにだんだん、
ビアンカに表情があるような気がしてくるの。
半開きの口も卑猥なんだけど、何か言いたげな表情に思えてくるし。
あとね、印象的だったのが、兄夫婦の対応。
冒頭、一緒に食事をすることを拒むラースに対して、無理やり食事に誘う兄嫁に、
あいつは昔からそうだから、大丈夫だよ、
と、そっとしておこう派の兄。
ラースがビアンカを連れてきたときも、
驚愕の後、
あれが原因だろうか、
とか、
これのせいだろうか、
とか、
いつまでもぐちぐちと悩む兄に対して、
冷静になりましょう、と、表面上はビアンカを受け入れ、
自分たちでは対処しきれないと、お医者や町の人々の協力を求める。
いや、いざとなれば男よりも女の方が強い、って言いたいわけではなくてね。
(いや、そーゆー側面もあるかな。ラースを無理やり食事に誘うのに、
ラースに飛びついて、地面にねじ伏せ、兄嫁あんた妊娠中でしょ!って
突っ込みたくなったほどの見事なタックルだったし、
町の人たちとの話合いでも、批判し否定ばかりする男たちにたいして、
ラースを守っていこうっていうのが女の人たちだし)
他人だからこそ、遠慮せず、対応できるってことがあって。
実の兄弟って、兄弟だからこそ気を使ってしまったり、遠慮しちゃったり。
友達だったら遠慮なくずけずけ言えるけど、
親兄弟だと、遠慮して、気を使って何もいえなくなってしまうことってない?
ラースの兄は、ラースの出生時の事情とか、死んだ父親との関係を思って、
いろいろ考えてしまうんだけど、
兄嫁のほうはそんなこと関係ないから、ぶつかっていける。
そんなことを、観てて思った。
ラースはやさしいな。
個人的にはね、会社の女の子の大事にしてるクマのぬいぐるみが同僚にひどいいたずらを
されてしまったときに、ラースがクマに人工呼吸して
蘇生させてる場面が、かわいくて、ちょっと泣けてきたの。
ぬいぐるみとか、人形とか、ペットとか、
人にはわからなくても、自分のなかで、それがいることで毎日元気になれるってこと、
あるよね。
ラースはビアンカの存在があることで、社会にあるいていけたんだよ。
ラストの、ビアンカのお葬式は、
そこまする町の人、すげえ、って思った。
ビアンカが死んでしまうことで、ラースは一歩踏み出せるんだけど、
正気に戻ったとか、ビアンカが人形だったことに気づいた、とか、
そういうことではなくて、
あくまでも、ビアンカといた日々はラースにとって、いや、町の人たちにとっても、
現実のことだったんだよな。
すごく、やさしい気持ちになれる映画。
自分が町の人々だったら、どうするかなあって。
マイナー映画同好会11
ほそぼそと続いているマイナー映画同好会も、とうとう11回目を数え、
(誰も頼んでないのにね)
同好会メンバーも増えないまま、
(メンバー募集してたの?)
おいら自身も今年に入ってから、まったく映画館に行っていないという、
なんとも情けない状態。
(単に福島まで行くのが億劫だったっていうこともある)
さて、最近ぜんぜん映画みてないので、発作的にブイっと福島フォーラムまでドライブ。
ちょうど始まりそうだったマイナーっぽい映画発見!
「PARIS」(パリ)
タイトルがあらわすように、フランス映画。
心臓の病気のために、ダンサーとしての将来を絶たれてしまったピエール。
ピエールの身を案じ、一緒にすむことにしたシングルマザーの姉エリーズ。
この二人を中心に、パリの街に暮らす人々を描いた群像劇。
年甲斐もなく女子大生に一目ぼれしちゃって、ストーカーまがいのメール攻撃を
しちゃう大学教授のおっさんとか、
離婚した後も一緒の職場で働く男と女とか、
一見関係のない人々の暮らしが、細く長い糸で絡み合っている。
大学教授のおっさんがね、女子大生に(なぜか)想いが通じちゃって、
もううれしくって楽しくってしょうがない!
ダンスを踊るんだけど、
ハチャメチャダンスのわりに、妙にうまいんだ。
おっさんのくせに、ものすごいノリで、ガンガン踊ってるの。
で、女子大生がふつーに彼氏といちゃいちゃしてるところを見せ付けられて、
(若い女の子って、残酷ねえ・・・)
ショック!
な、おっさんの表情がたまらない。
ダンスといえば。
ピエールの部屋でパーティーをひらいたとき。
昔のダンス仲間と踊るんだけど、
ピエールは心臓が苦しくって、最後まで踊れないんだ。
それが、特にセンセーショナルな音楽が入るわけでもなく、
何気なくそんなシーンがおりこまれて、
かえって切ない。
ラストに、
心臓移植の提供者がみつかって、タクシーで病院に一人向かうピエール。
もしかしたら、もう二度と戻れないかもしれない、パリ。
タクシーの窓から、パリの街を見つめるピエールの表情がいい。
今まで当たり前だと思っていた、
パリの街並み。
人々の喧騒。
歩いたり、おしゃべりしたり、けんかしたり、
そんな些細なことが、今は素晴らしく、愛おしく思える。
そして、
エリーズの同僚の女の憂い顔が、まるで桃井かおりの件。
とか、
パン屋の女主人の服装が、とてもパン屋とは思えないファッションリーダーの件。
とか、
食肉市場で、牛肉がぶら下がってるなかで、イケナイことをしようとしてる男と女、
そんな生臭いところでそんな気分になっちゃうんかい、
いや、その血生臭さに興奮したんかい、
でも雑菌とか入りそうだな、
なんていらぬ心配をさせる件。
とか、
なんだか要所要所楽しいシーンが。
観おわった跡に、心があったかくなった。
ほわっ、って。
生きてるってだけで、素晴らしいんだよね。
って、思わせてくれる。
やっぱり色気のある俳優はいいね
映画『スルース』を観るために、福島までとことこいったさ。
21時からの回だったので、仕事をちゃっちゃと終わらせて、19時30に郡山をでて、1時間後に福島フォーラム到着。
が、スルースのポスターも、上映予定の紙も貼ってないし。
あれ?いやな予感。
で、よくよく上映予定を調べたら。
土曜日からの上映だとさ。
あー。
おいらどうした?ここのところうっかりが多いよ!
疲れてんのかな?
でも、まあ、せっかくきたし、他の映画観よ。
で、20時50分からの『フィクサー』観てみた。
ジョージ・クルーニー、いつもの色っぽさがなくて、疲れてる表情。
なんでこんなかなと思いながら見てると、突然自動車の爆発シーン。
わけがわからないんだけど、ストーリーが進んでいくうちに、
ああ、こういうわけだっただったのね、って理解してくる。
もちろん、フィクサー(弁護士事務所に所属するもみ消し屋)であるマイケル(クルーニー)もいいんだけど、
おいらが感心したのは、弁護士事務所が訴訟をうけもった農薬会社の法務部本部長カレン役のティルダ・スウィントン。
最後のクルーニーとの対決で、おわったあとに崩れ落ちる、その演技で彼女のすべてを表してる。
彼女のあまりにも張りつめた精神状態が崩壊する瞬間。
ティルダ・スウィントンはこれでアカデミー賞主演女優賞をとったんだけど、わかるわ。
あんまりおいらアカデミー賞って、基準わからんし、信用してない部分があるんだけど、
でも、彼女の実力が評価されてるってことはうれしい。
アメリカの暗部をよくあらわしてる映画。
すべてがおわったあと、マイケルの未来に明るい展望はひとっつもないんだけど、
観終わったあとに、いやな感情は湧いてこない。
結構おもしろく観た。
さて。
いつスルース観よう?
いかにもアメリカらしい映画
あー、福島フォーラム久々だーよ。
うっかり割引券も持たずにふらっとはいったら、
「1700円です」
って、受付のおねいさんに言われた。
いつも1000円ではいってるからぎょっとしちった。
そうか、正規の入場料はこんなに高いのか。。。
勉強になったぜ。
で、おいらね、『大いなる陰謀』を観るつもりで行ったらばさ、
前日に終了してたし。
なんか、重ね重ね、事前リサーチの重要性を感じたな。
ま、いいか。同じ時間帯の映画みよっと。
で、観てみた。チャーリー・ウィルソンズ・ウォー。
観終わってから、いや、観てる最中から、
なんというか、もやもやもやもやした、なんとも言い表せない感じを受けて。
観終えて最初の感想は、
いかにもアメリカらしい映画だなあ。と。
1980年代。東西冷戦のころ。
ソ連のアフガニスタン侵攻に対して、アメリカのアフガニスタンに対する支援の金額は微々たるもの。
トム・ハンクス演ずる下院議員チャーリーは、ソ連を打ち負かし、アフガニスタンの人々を救おうと、一人奔走する。
なんかねえ。
軽いタッチで描いていて、観てて面白いんだけど、でも、どうしても、
「あ、それがアメリカの正義なのね?ふーん」
っていう気持ちが先に立ってしまう。
アフガニスタン難民の悲劇とか、ソ連軍の残虐さとかを強調して、アメリカがアフガニスタンを救って、結果的に冷戦を終結させたような展開。
なんだけど。
その延長でアメリカはイラクに侵攻するわけなんだね?
なんて思ってしまう。
もしかして、アメリカがソ連を打ち負かして、アフガニスタンを救ったっていうのはほんとなのかもしれないんだけど、
それをいかにもアメリカってえらい!的に言われちゃうと、なんだかなあって。
そして、ソ連軍が退去したのちに、チャーリーが教育の重要性を説いて、予算を取ろうとするんだけど、結局かなわず、
それがたった一つのミスだった、みたいなエピソードが語られるんだけど、どうしてもそれが余計だった気がして。
言い訳というか、アフガニスタンの子供たちに教育を受けさせることがほんとの目的だったのに、頑迷な議会に阻止されちゃったんだよ、てな、エクスキューズに感じられてね。
戦争には金を出すけど、その後のことは知りませんっていう、
アメリカの姿勢を批判することで、単に戦争の勝利を描いた映画ではありませんよ、
っていう、言い訳のエピソードにしか思えない。
あー、なんかなー。
観なきゃよかったとは思わないかな。
いろいろ考えさせられたし。
この映画の最大の魅力は、トム・ハンクスのキュートさかな。
てか、トムじゃなきゃ単なるつまらないドキュメンリーかフィクションかわからん映画だったと思う。
なんだか今日は辛口ねえ。
どうしたの?