なんとなく観た映画の感想です。マイナーな映画が好きですが、そうじゃないものも好きです。たまに舞台やドラマの感想も。
<2007年9月 福島フォーラムにて観賞>
マイナー映画同好会10
(アキ・カウリスマキの映画に出てくる料理のことなど)
アキ・カウリスマキって、フィンランドの映画監督なんだけど、
実はしばらくの間女の人だと思ってたんだ。
アキって名前だからって、女の人とは限らないんだけど、
思い込みってあるよね。
ちなみにアキのお兄さんの名前は、ミカ・カウリスマキだし。
そういえば、フランソワ・オゾン監督のことも
女の人だと思ってたし、作家の北村薫も女の人だと
思ってた。
(男性だったよね?)
なんだかおいら思い込み激しい。
さて、それはさておき。
アキ・カウリスマキの「街のあかり」を観てきた。
主人公のコイスティネンは孤独な男。
友もいない。恋人もいない。家族もいない。
だれも彼を気に掛けない。
唯一彼を見ている女性アイラのことを
彼は見ようとしない。
近づいてきた女、ミルヤ。
たちまち恋に落ちるコイスティネン。
しかしミルヤの後ろにはマフィアがついており、
彼女が近付いたのは、警備員であるコイスティネンを
利用するためだった。
ついてない人生を送ってきたであろうコイスティネンを
さらに大きな不幸が襲うこの物語。
カウリスマキって、薄幸な人物を撮ったら
右に出る者がいないほど。
でも、観おわったあとになぜだか暖かい気持ちになるのは、
どうしてかな。
登場人物に対しての視線がやさしいんだよね。
淡々としたストーリー展開なんだけど、
所々に救いを用意してくれている。
コイスティネンって、自ら不幸を呼び込んでいるような男で、孤独なくせに、自分が呼べばすぐに駆けつけてくれる仲間がいるようなことをうそぶく。
あんなに近づくなオーラを出されたら、
誰も近寄らないんだけど、それでも辛抱強く見守っているアイラがいる。
多分アイラ自身も薄幸で孤独な人生を送ってきたであろうことが容易に想像できるんだけど、それでも互いの傷口をなめあう関係ではなく、強がって生きている。
それから、街をうろつく少年。
少年の人生が語られることはないけれど、
きっとこの少年も孤独の中を生きているんだと察せられる。
(最終的にこの少年の機転によって、コイスティネンは救われるわけ)
終始無口で無表情なコイスティネン。
(それは他の登場人物にもいえるけど)
彼が自分の感情をあらわにする場面が3箇所ある。
同僚にからかわれて殴りかかるところと、
服役中に服役囚たちとタバコをすいながら談笑するところ、
出所後、自分を更に不幸におとしいれたマフィアのボスに
ナイフで切りかかる所。
特に、コイスティネンが唯一見せる笑顔が、
ある意味孤独な人間の集まりである刑務所のなかだということに、
彼の心の深い闇が見え隠れするような。
ところで、アイラはトレーラーハウスでソーセージを
売っているという設定。
そのソーセージがやたらうまそうで。
カウリスマキの映画に出てくる料理は、
実は概しておいしくはなさそう。
「過去のない男」の主人公が列車のなかでもそもそと
口に運ぶスシなんて、ほんとにまずそう。
救世軍がホームレスたちに支給するどろどろしたスープなんて・・・うへぇってかんじ。
ところがこの映画では少々事情がちがって、
ソーセージもそうなんだけど、コイスティネンと
ミルヤが食事をするレストランの料理、
マフィアたちが飲んでいる高級そうなお酒(ブランデーかな?)
コイスティネンがミルヤのために焼いたベーグルなど、わりとうまそう。
なぜか、なんていう考察はおいといて、(てゆーか、わからんし)
映画でおいしそうな料理をみるのは単純に楽しいね。
フィンランドというと「かもめ食堂」(小林聡美主演)
を思い出して、この映画、かなりおいしそうな料理が
目白押しだったから、おいしい料理の国って
イメージがあるのに、カウリスマキのほかの映画の料理はそうでもない。
実はかなりの格差社会でもあるらしい。
高級マンションをみあげて半地下の安アパートにくらす庶民。
高級乗用車とならんで走る旧ソ連製のラダというぼろ車。
高級マンションの上の階で、上品な調度品に囲まれながらポーカーに興じるマフィアたちの後ろを、ミルヤが掃除機をかける姿も、滑稽で切なかったな。
ま、とりあえず。
オイラが一番きゅんと来た場面は、コイスティネンが警察に捕まるところ。
あー、なんて哀しくて、愛おしい男なんだろう・・・と。
個人的には、コイスティネンの警備員姿が、制服フェチのおいらの心をくすぐってやまないのであった。
マイナー映画同好会10
(アキ・カウリスマキの映画に出てくる料理のことなど)
アキ・カウリスマキって、フィンランドの映画監督なんだけど、
実はしばらくの間女の人だと思ってたんだ。
アキって名前だからって、女の人とは限らないんだけど、
思い込みってあるよね。
ちなみにアキのお兄さんの名前は、ミカ・カウリスマキだし。
そういえば、フランソワ・オゾン監督のことも
女の人だと思ってたし、作家の北村薫も女の人だと
思ってた。
(男性だったよね?)
なんだかおいら思い込み激しい。
さて、それはさておき。
アキ・カウリスマキの「街のあかり」を観てきた。
主人公のコイスティネンは孤独な男。
友もいない。恋人もいない。家族もいない。
だれも彼を気に掛けない。
唯一彼を見ている女性アイラのことを
彼は見ようとしない。
近づいてきた女、ミルヤ。
たちまち恋に落ちるコイスティネン。
しかしミルヤの後ろにはマフィアがついており、
彼女が近付いたのは、警備員であるコイスティネンを
利用するためだった。
ついてない人生を送ってきたであろうコイスティネンを
さらに大きな不幸が襲うこの物語。
カウリスマキって、薄幸な人物を撮ったら
右に出る者がいないほど。
でも、観おわったあとになぜだか暖かい気持ちになるのは、
どうしてかな。
登場人物に対しての視線がやさしいんだよね。
淡々としたストーリー展開なんだけど、
所々に救いを用意してくれている。
コイスティネンって、自ら不幸を呼び込んでいるような男で、孤独なくせに、自分が呼べばすぐに駆けつけてくれる仲間がいるようなことをうそぶく。
あんなに近づくなオーラを出されたら、
誰も近寄らないんだけど、それでも辛抱強く見守っているアイラがいる。
多分アイラ自身も薄幸で孤独な人生を送ってきたであろうことが容易に想像できるんだけど、それでも互いの傷口をなめあう関係ではなく、強がって生きている。
それから、街をうろつく少年。
少年の人生が語られることはないけれど、
きっとこの少年も孤独の中を生きているんだと察せられる。
(最終的にこの少年の機転によって、コイスティネンは救われるわけ)
終始無口で無表情なコイスティネン。
(それは他の登場人物にもいえるけど)
彼が自分の感情をあらわにする場面が3箇所ある。
同僚にからかわれて殴りかかるところと、
服役中に服役囚たちとタバコをすいながら談笑するところ、
出所後、自分を更に不幸におとしいれたマフィアのボスに
ナイフで切りかかる所。
特に、コイスティネンが唯一見せる笑顔が、
ある意味孤独な人間の集まりである刑務所のなかだということに、
彼の心の深い闇が見え隠れするような。
ところで、アイラはトレーラーハウスでソーセージを
売っているという設定。
そのソーセージがやたらうまそうで。
カウリスマキの映画に出てくる料理は、
実は概しておいしくはなさそう。
「過去のない男」の主人公が列車のなかでもそもそと
口に運ぶスシなんて、ほんとにまずそう。
救世軍がホームレスたちに支給するどろどろしたスープなんて・・・うへぇってかんじ。
ところがこの映画では少々事情がちがって、
ソーセージもそうなんだけど、コイスティネンと
ミルヤが食事をするレストランの料理、
マフィアたちが飲んでいる高級そうなお酒(ブランデーかな?)
コイスティネンがミルヤのために焼いたベーグルなど、わりとうまそう。
なぜか、なんていう考察はおいといて、(てゆーか、わからんし)
映画でおいしそうな料理をみるのは単純に楽しいね。
フィンランドというと「かもめ食堂」(小林聡美主演)
を思い出して、この映画、かなりおいしそうな料理が
目白押しだったから、おいしい料理の国って
イメージがあるのに、カウリスマキのほかの映画の料理はそうでもない。
実はかなりの格差社会でもあるらしい。
高級マンションをみあげて半地下の安アパートにくらす庶民。
高級乗用車とならんで走る旧ソ連製のラダというぼろ車。
高級マンションの上の階で、上品な調度品に囲まれながらポーカーに興じるマフィアたちの後ろを、ミルヤが掃除機をかける姿も、滑稽で切なかったな。
ま、とりあえず。
オイラが一番きゅんと来た場面は、コイスティネンが警察に捕まるところ。
あー、なんて哀しくて、愛おしい男なんだろう・・・と。
個人的には、コイスティネンの警備員姿が、制服フェチのおいらの心をくすぐってやまないのであった。
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