なんとなく観た映画の感想です。マイナーな映画が好きですが、そうじゃないものも好きです。たまに舞台やドラマの感想も。
<2007年5月23日 福島フォーラムにて観賞>
マイナー映画同好会9
いつものごとく、大好きな福島にドライブ。
福島市は、おいらの住んでいる郡山市から国道4号線を北上すること約1時間の距離にある、県庁所在地。
県立美術館や県立図書館、県庁、福島県警、などなど、県の中枢をなす都市・・・
のはずなんだけどさ、なんとなく元気がない感じ。
どちらかいうと、商業都市郡山のほうが賑わいがあるし、観光都市会津若松のほうが県外からのお客さんは多いし、若者は郡山どころか、仙台に遊びにいっちゃうし。
さびれた街の雰囲気。。。
でもさ、おいらそんな福島が好きだったり・・・
大きいデパートとかは撤退しちゃったりしてるんだけど、そのかわり個人商店ががんばってる。
若い人が雑貨とか古着のお店出してたり。
こだわりのあるお店が多いね。
おいらの行きつけの映画館「福島フォーラム」も、そんなこだわりを感じさせる場所のひとつ。
ほんとに映画好きのひとが集まって作ってるって感じ。くる観客もそんな雰囲気の人が多いし。
「善き人のためのソナタ」を観たときのこと。
この映画は、ベルリンの壁が崩壊する5年前の東ドイツが舞台。
シュタージ(国家保安省)による、監視システムにより、盗聴、密告が当たり前となっていた国家。国民一人一人の行動がつぶさに監視され、少しの国家への批判も許されない、恐怖政治。
24時間の監視を受けることとなった舞台作家のドライマンと、恋人のクリスタ、そして彼らを監視するシュタージのヴィースラー。この三人を軸に、崩壊しつつある東ドイツの末期を丹念に描いている。
暗がりで、ヘッドホンをつけて、ドライマンの行動、会話などを機械的に記録し続けるヴィースラーの姿がおぞましい。
多分このヴィースラーには、友達どころか、信頼できる人もましてや恋人もいないだろうということが容易に想像できる。
今まで信頼して何でも話していた相手が、実は密告者で、自分の行動をつぶさに報告していたという恐怖。
耐えられない。
西側の新聞記者に、東ドイツが自国の自殺者の数を発表しなくなった事実と、東ドイツの実態をかいたレポートを渡したドライマンは、シュタージに目をつけられ、家宅捜索される。
レポートを打ったタイプライターの隠し場所が、今まさに暴かれそうになった、その緊迫したシーンで。
突然画面が真っ暗になった。
一瞬、
こーゆー演出なのかな・・・?
なんて思ったけど。
なんか変。
10秒後、音声復活。
でもドイツ語。
おいら日本語も危ういのに、ドイツ語なんてまったく解さず・・・
真っ暗な中、響く人の足音や、家宅捜索をしている人間たちのささやき声、引き出しを開ける音、いらだつ怒鳴り声。ドアを閉める音。
あぁ、真っ暗な中で音だけを聞かざるを得なかったシュタージたちって、こんな感覚だったのかな・・・なんて考えたり。
そのまま映像は復活せず。
しばらく音声のみでお楽しみください・・・なんて放送されたわけではないけれど、たぶん悲劇的な感じをうける音とか、叫び声とかが聞こえてきて、それはそれで、緊迫した状態ではあったが・・・。
かなりして(15分くらいかなあ?)映像も復活。
最後まで無事観る事ができた。めでたしめでたし。
期せずして、盗聴者の感覚を一瞬でも味わったおいら。
(あの劇場の中で、こんなことを考えたのおいらだけだったかも)
密告社会はおぞましい。
それをなんとも思わなくなっている国家もおぞましい。
ヴィースラーが自宅に帰って食べていた、なんだかよくわからない食べ物。なんかどろどろしたものにケチャップみたいなものをかけて、それはそれはまずそうに食べるんだ。
国家保安省の食堂で食べているものもおいしくなさそうだし。
食事を楽しむという、人の根本にあるものが、このひとたちにはなかったんだな、と思った次第。
そういった国家は遅かれ早かれ、崩壊する運命なんだろな。
途中から、ドライマンの反国家的行為を、忠実に報告しなくなって、最終的に背信者となったヴィースラーの心をかえたものは、なんだったのかな。
この曲を本気で聴いたら悪人にはなれないという、「善き人のためのソナタ」をきいたせいなのか、それともクリスタへの恋心のせいなのか、あるいは、崩壊に向かっている国家の危うさを感じ取っていたせいなのか。
それははっきり描かれてはいないけれど、きっとヴィースラーのようなひとが実は多かったんじゃないかな。
実際に壁をハンマーで砕いた人よりも、勇気のあることだったのかもしれない。
劇場をでるときに、おわびのタダ券もろた。
やったね。
また観に来よう。
平身低頭の係員の皆様。
貴重な体験ありがと。
マイナー映画同好会9
いつものごとく、大好きな福島にドライブ。
福島市は、おいらの住んでいる郡山市から国道4号線を北上すること約1時間の距離にある、県庁所在地。
県立美術館や県立図書館、県庁、福島県警、などなど、県の中枢をなす都市・・・
のはずなんだけどさ、なんとなく元気がない感じ。
どちらかいうと、商業都市郡山のほうが賑わいがあるし、観光都市会津若松のほうが県外からのお客さんは多いし、若者は郡山どころか、仙台に遊びにいっちゃうし。
さびれた街の雰囲気。。。
でもさ、おいらそんな福島が好きだったり・・・
大きいデパートとかは撤退しちゃったりしてるんだけど、そのかわり個人商店ががんばってる。
若い人が雑貨とか古着のお店出してたり。
こだわりのあるお店が多いね。
おいらの行きつけの映画館「福島フォーラム」も、そんなこだわりを感じさせる場所のひとつ。
ほんとに映画好きのひとが集まって作ってるって感じ。くる観客もそんな雰囲気の人が多いし。
「善き人のためのソナタ」を観たときのこと。
この映画は、ベルリンの壁が崩壊する5年前の東ドイツが舞台。
シュタージ(国家保安省)による、監視システムにより、盗聴、密告が当たり前となっていた国家。国民一人一人の行動がつぶさに監視され、少しの国家への批判も許されない、恐怖政治。
24時間の監視を受けることとなった舞台作家のドライマンと、恋人のクリスタ、そして彼らを監視するシュタージのヴィースラー。この三人を軸に、崩壊しつつある東ドイツの末期を丹念に描いている。
暗がりで、ヘッドホンをつけて、ドライマンの行動、会話などを機械的に記録し続けるヴィースラーの姿がおぞましい。
多分このヴィースラーには、友達どころか、信頼できる人もましてや恋人もいないだろうということが容易に想像できる。
今まで信頼して何でも話していた相手が、実は密告者で、自分の行動をつぶさに報告していたという恐怖。
耐えられない。
西側の新聞記者に、東ドイツが自国の自殺者の数を発表しなくなった事実と、東ドイツの実態をかいたレポートを渡したドライマンは、シュタージに目をつけられ、家宅捜索される。
レポートを打ったタイプライターの隠し場所が、今まさに暴かれそうになった、その緊迫したシーンで。
突然画面が真っ暗になった。
一瞬、
こーゆー演出なのかな・・・?
なんて思ったけど。
なんか変。
10秒後、音声復活。
でもドイツ語。
おいら日本語も危ういのに、ドイツ語なんてまったく解さず・・・
真っ暗な中、響く人の足音や、家宅捜索をしている人間たちのささやき声、引き出しを開ける音、いらだつ怒鳴り声。ドアを閉める音。
あぁ、真っ暗な中で音だけを聞かざるを得なかったシュタージたちって、こんな感覚だったのかな・・・なんて考えたり。
そのまま映像は復活せず。
しばらく音声のみでお楽しみください・・・なんて放送されたわけではないけれど、たぶん悲劇的な感じをうける音とか、叫び声とかが聞こえてきて、それはそれで、緊迫した状態ではあったが・・・。
かなりして(15分くらいかなあ?)映像も復活。
最後まで無事観る事ができた。めでたしめでたし。
期せずして、盗聴者の感覚を一瞬でも味わったおいら。
(あの劇場の中で、こんなことを考えたのおいらだけだったかも)
密告社会はおぞましい。
それをなんとも思わなくなっている国家もおぞましい。
ヴィースラーが自宅に帰って食べていた、なんだかよくわからない食べ物。なんかどろどろしたものにケチャップみたいなものをかけて、それはそれはまずそうに食べるんだ。
国家保安省の食堂で食べているものもおいしくなさそうだし。
食事を楽しむという、人の根本にあるものが、このひとたちにはなかったんだな、と思った次第。
そういった国家は遅かれ早かれ、崩壊する運命なんだろな。
途中から、ドライマンの反国家的行為を、忠実に報告しなくなって、最終的に背信者となったヴィースラーの心をかえたものは、なんだったのかな。
この曲を本気で聴いたら悪人にはなれないという、「善き人のためのソナタ」をきいたせいなのか、それともクリスタへの恋心のせいなのか、あるいは、崩壊に向かっている国家の危うさを感じ取っていたせいなのか。
それははっきり描かれてはいないけれど、きっとヴィースラーのようなひとが実は多かったんじゃないかな。
実際に壁をハンマーで砕いた人よりも、勇気のあることだったのかもしれない。
劇場をでるときに、おわびのタダ券もろた。
やったね。
また観に来よう。
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